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電通・博報堂の新卒就職難易度を公式データだけで比較|2028年卒の募集要項・内々定数・年収・選考フロー

うーなー

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「電通と博報堂って、結局どっちが入りにくいんですか」

広告業界の就活生から、この質問をいちばん多く受けます。そして私は毎回、同じ答え方をしています。倍率は、どちらの会社も公表していません。だから「◯◯倍」と書いてあるページは、どこかの誰かが勝手に計算した数字です。

私はイベント・コンサート業界で15年以上、営業として現場に立ってきました。大手広告代理店が受けたPR施策の、実際に動く部分を請け負う側にいたことが何度もありました。採用側で面接に座った経験もあります。その立場から言うと、この2社の難易度は「倍率」より入口の数と、入口ごとの定員を見たほうが正確に掴めます。

この記事では、2026年9月21日に電通・博報堂それぞれの公式採用サイトと、電通グループ・博報堂DYホールディングスの有価証券報告書で確認できた数字だけを並べます。就職偏差値や合格体験談のたぐいは一切使っていません。広告代理店の新卒就職を「なんとなく難しそう」で終わらせずに、どこがどう狭いのかを分解していきます。

注意:募集要項は年度ごとに更新されます。この記事の数字は2026年9月21日時点で公式サイトに掲載されていた内容です。応募の前に、必ず各社の採用サイトで最新の情報を確認してください。中途採用(転職)の難易度については広告代理店への転職が難しいと感じるFラン未経験者が知るべきことで別に書いています。この記事は新卒に絞った話です。

結論:採る人数は公開、落ちた人数は非公開。だから倍率は誰にも言えない

結論:採る人数は公開、落ちた人数は非公開。だから倍率は誰にも言えない

先に、この記事でわかることをまとめます。

  • 電通:2026年4月入社の実績は156名。総合職は冬・春の年2回選考で、内々定数はそれぞれ60名程度(昨年度実績)
  • 博報堂:2028年度新卒採用の募集人数は120名(予定)。夏・冬・春の3タイミングで選考
  • 倍率:両社とも応募総数を公表していないため、計算できません
  • 採用大学:両社とも公式採用サイトに一覧の掲載はありません
  • 学歴要件:電通は「学歴不問・既卒可」、博報堂は「学士号・修士号・博士号のいずれかを取得見込み」。ここははっきり違います

電通の就職難易度、博報堂の就職難易度と検索したときに出てくる「◯◯倍」という数字は、どれも公式の出どころがありません。そのうえで「難易度が高い」と言われる根拠を公式データだけで説明すると、こうなります。電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」によれば、2025年の日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)。4年連続で過去最高を更新しています。その市場の中心にいる2社が、年に100〜150名程度しか新卒を採らない。母数が大きくて入口が狭い、という単純な構図です。

ポイントは2つです。倍率という数字は公式には存在しないこと。そして、入口の数(職種・時期・インターン経由)は公開されているので、そこは事前に読み込めること。

電通と博報堂の新卒採用データ比較(2026年9月21日時点の公式情報)

電通と博報堂の新卒採用データ比較(2026年9月21日時点の公式情報)

まず、両社の公式採用サイトに書いてあることを並べます。電通は「2028年卒」、博報堂は「2028年度新卒採用」という呼び方で、どちらも2028年3月に卒業・修了する学生が対象です。同じ学年を指しています。

項目電通(株式会社電通)博報堂(株式会社博報堂)
募集職種総合職採用/デジタルクリエイティブ職採用/アート職採用(3職種とも併願可)総合職(ビジネスプロデュース、ストラテジックプラニング、クリエイティブ、PR、メディアプロデュース、メディアプラニング、コンテンツプロデュースなど)
採用コース職種ごとにエントリー総合職/クリエイティブ職(初期配属確約)/データサイエンス領域職種(初期配属確約)
応募資格2028年4月1日入社時点で30歳未満(学歴不問・既卒可)。在籍者は2028年3月までに卒業・修了が条件。日本語でのコミュニケーションが条件就業経験がないこと。大学・大学院の学士号/修士号/博士号のいずれかを2028年3月までに取得見込み(国籍不問)。高専専攻科の卒業見込みも可
採用予定数募集人数の記載なし。総合職の内々定は冬選考60名程度・春選考60名程度(昨年度実績をもとに記載)120名(予定)
直近の入社実績156名(2026年4月入社)記載なし
初任給・待遇356,025円(基本給275,600円+リモートワーク手当5,200円+割増見合手当75,225円/2026年基準)。賞与年4回年俸制3,600,000円+超過勤務手当+業績賞与(年1回)/2026年度実績。昇給年1回
勤務時間所定労働時間9:30〜17:30(7時間)。全部署でフレックスタイム勤務制度を適用中9:30〜17:30(うち休憩1時間)
勤務地東京オフィス・関西オフィス(大阪・京都)・中部オフィス。初任配属は東京・大阪・名古屋のいずれか本社ならびに国内外いずれかの事業所
休日完全週休二日制完全週休2日制(土日)、祝日、年末年始(12/29〜1/3)。年次有給休暇は勤務年数に応じ20〜30日(初年度17日)
倍率公表なし公表なし
採用大学公表なし公表なし

この表で、いちばん実務的に効くのは応募資格の欄です。電通は「学歴不問・既卒可、30歳未満」。大学を出ていなくても、卒業してから何年か経っていても、30歳未満なら受けられると書いてあります。博報堂は「就業経験がないこと」「学士号以上を取得見込み」が条件です。同じ大手2社でも、門の形がそもそも違います。

私が現場で会ってきた大手代理店の担当者は、確かにいわゆる有名大学の出身者が多かった。でも「この人、どこ大なんだろう」と思うような経歴の人も普通に混じっていました。募集要項を読むと、少なくとも制度上は電通のほうが入口が広く設計されている。ここは想像で語るより、要項を読んだほうが早いです。

会社の規模も押さえておきます。株式会社電通の公式サイトの会社概要では、従業員数5,251人(2025年12月末日現在)、創業1901年7月1日。株式会社博報堂の会社概要では、従業員数4,654名(2025年9月1日時点)、創業1895年10月6日。単体の社員数は、実はそこまで大きく変わりません。「電通のほうが何倍も大きい」というイメージは、グループ全体の話と混ざっています。

両社の仕事の中身そのものは広告代理店はどんな仕事?職種別の解説記事にまとめてあるので、職種名がピンとこない場合はそちらを先に読んでください。

年収と待遇で公式に分かること:有価証券報告書に出ている数字

年収と待遇で公式に分かること:有価証券報告書に出ている数字

ここは、ネットでいちばん数字が荒れている領域です。落ち着いて整理します。

まず前提として、株式会社電通も株式会社博報堂も、それ自体は上場していません。上場しているのは持株会社である株式会社電通グループと、株式会社博報堂DYホールディングスです。有価証券報告書に載る「提出会社の平均年間給与」は、この持株会社の数字になります。

電通グループの有価証券報告書(第177期/2025年12月期)

  • 連結従業員数:67,454名(2025年12月31日現在)。うち日本セグメントは23,874名
  • 提出会社(株式会社電通グループ):従業員数135名、平均年齢45.0歳、平均勤続年数14.3年、平均年間給与15,959,402円
  • 収益:1兆4,352億45百万円
  • 営業損失:2,892億12百万円/親会社の所有者に帰属する当期損失:3,276億01百万円

注意:この平均年間給与1,595万円は、従業員135名の持株会社の数字です。株式会社電通で働く5,251人の平均ではありません。電通グループの有価証券報告書には、株式会社電通単体の平均年収は記載されていませんでした(2026年9月21日確認)。「電通の平均年収1,595万円」と書いてあるページを見かけたら、この点が混ざっていると思ってください。

博報堂DYホールディングスの有価証券報告書(第23期/2026年3月期)

博報堂DYホールディングスの有価証券報告書は、ここが親切です。「最大人員会社の状況」として、株式会社博報堂そのものの数字を開示しています。

会社従業員数平均年齢平均勤続年数平均年間給与
博報堂DYホールディングス(提出会社)144名42.5歳13.0年11,683千円
株式会社博報堂4,580名40.1歳12.4年10,990千円
株式会社Hakuhodo DY ONE2,690名32.4歳5.9年5,829千円

いずれも2026年3月31日現在。連結従業員数は28,921名です。収益は8,610億03百万円、経常利益460億61百万円、親会社株主に帰属する当期純利益167億75百万円でした。

この表の読みどころは、株式会社博報堂の1,099万円と、同じ博報堂DYグループの株式会社Hakuhodo DY ONEの582.9万円という差です。同じグループの中でも、会社が違えば水準が倍近く違う。「博報堂DYグループに入る」と「株式会社博報堂に入る」は、就活の文脈ではまったく別の話になります。

私が現場で組んでいた代理店の担当者も、名刺の会社名をよく見ると本体ではなくグループ会社、ということがよくありました。仕事の内容はほとんど同じに見えるのに、社内の制度や給与は別物。学生のうちは気づきにくい線引きです。

もうひとつ、正直に書いておきます。電通グループの2025年12月期は、収益こそ1兆4,352億円ありますが、営業損失2,892億円・当期損失3,276億円という決算でした。それでも2028年卒の採用は動いています。業績と採用人数は連動しているとは限らない、という当たり前の事実だけ、頭の隅に置いておいてください。

選考フローと2027年度(2028年3月卒)の選考スケジュール

選考フローと2027年度(2028年3月卒)の選考スケジュール

ここが実務でいちばん使える部分です。両社ともフローを細かく公開しています。

電通:総合職は冬と春の年2回。3職種は併願できる

電通の2028年卒の選考スケジュールは、公式サイトにこう出ています(2026年9月21日確認)。

  • 総合職(冬選考):エントリー・適性検査受検は2026年10月16日(金)〜11月6日(金)12:00正午。選考期間は11月上旬〜1月下旬、内々定は1月下旬(60名程度)
  • 総合職(春選考):エントリー・適性検査受検は2027年3月頃予定。選考期間3月中旬〜5月末、内々定は5月末(60名程度)
  • デジタルクリエイティブ職・アート職:エントリーは2027年3月頃予定。内々定は5月末
  • 総合職(海外大選考):2026年6月1日〜6月29日でエントリー受付。すでに終了

内々定の人数について、公式サイトには「内々定人数は昨年度実績をもとに記載しています」と注記があります。つまり今年の確定値ではありません。冬選考に参加した人が、改めて春選考にエントリーすることも可能だと書かれています。

選考の実務的な情報も、よくある質問のページに出ています。適性検査は原則テストセンターでの受検。選考はオンラインと対面(電通 東京オフィス)の両方があり、対面選考では規定に則って一部交通費が支給されるとのこと。そして「理系・文系、学部卒・大学院卒などで選考時の有利・不利、および入社後の待遇の差はありません」と明記されています。社員訪問についても「有無や人数は、選考時の有利・不利、および入社後評価共に一切関係ありません」とあります。

博報堂:直近の春公募フローは通過人数まで公開されている

博報堂は、2027年度新卒採用(2027年3月卒)の春公募フローを7ステップで公開していました。日程はすでに終わったサイクルですが、次の年も形はそう変わりません。読む価値があります。

  1. エントリー(2026年2月10日〜3月9日正午):エントリーシート3種(Profile Sheet/Personal Core Sheet/Career Dialog Sheet)提出、WEB適性検査(パーソナリティ検査・知的能力検査)、AI面談
  2. 書類選考:エントリーシート&適性検査&AI面談で判定。選考通過予定者数は約1,700人
  3. 一次選考:学生1:社員2の面談(約20分)、オンライン、服装自由。約1,700人→約700人
  4. 二次選考・適性検査:グループディスカッション(学生6人程度が1チーム)+テストセンター受検。約700人→約250人
  5. 人事面談/キャリアダイアログ:学生1:人事1。合否を判断する選考ではないと明記。約250人が対象
  6. 最終選考:学生1:社員2の面談(約30分)。ここだけスーツ指定、赤坂本社で対面
  7. 内々定

注意:これらの人数について、博報堂は「各選考フローの数値は昨年までの実績をもとにした目安数です」と注記しています。確定値ではありません。また応募総数は公表されていないので、この数字から倍率を割り出すことはできません。

2028年度新卒採用については、選考の時期の考え方が公開されています。夏・冬・春の3つのタイミングで選考活動を行い、夏と冬は原則としてインターンシップを経由した選考になる、という建て付けです。各インターンへの応募の有無や結果は「のちの選考には一切関係ございません」と明記されています。2026年9月21日時点では、総合職向けのインターンシップ「ビジネスデザイン篇」のエントリーが2026年8月19日正午〜10月2日正午で受付中でした。

博報堂のインターンには、もうひとつ見落としやすい記載があります。「各インターンシップには、2028年卒に限らず国内外の大学・大学院在籍で就業経験のない方であれば、どなたでも参加することができます」。学年が下でも参加できる、と書いてあるわけです。大学1〜2年で広告業界が気になっているなら、ここは早く動いたほうが得します。

学歴と採用大学は、どこまで公表されているのか

学歴と採用大学は、どこまで公表されているのか

結論から書きます。電通も博報堂も、公式採用サイトに採用大学の一覧は掲載されていません(2026年9月21日確認)。学部別・大学別の内訳も出ていません。「採用大学ランキング」を載せているページは、公式以外の情報源をもとにしています。

そのうえで、公式に書いてあることを整理します。

論点電通の公式記載博報堂の公式記載
学歴の条件学歴不問・既卒可(2028年4月1日入社時点で30歳未満)大学・大学院の学士号/修士号/博士号のいずれかを2028年3月までに取得見込み。高専専攻科の卒業・学士号取得見込みも可
既卒・就業経験既卒可就業経験がないこと。学士号以上を取得済みで卒業後2年以内、その後別の専門学校等に在籍し2028年3月までに卒業・修了見込みの場合も応募可
理系・文系/学部・院「選考時の有利・不利、および入社後の待遇の差はありません」と明記記載なし
国籍日本語でコミュニケーションできることが条件国籍不問
採用大学公表なし公表なし

この表を素直に読むと、学歴フィルターの有無を公式情報から証明することはできません。電通は「学歴不問」と書き、理系文系・学部院卒で差がないと書いている。博報堂は学士号以上を条件にしている。分かるのはそこまでです。

私は採用側で面接に座った経験もありますが、書類の学校名を見る瞬間と、面接で話す30分では、判断の材料がまるで違いました。学校名で切られるかどうかを気に病むより、面接で30分もつ話を一本作るほうが、自分でコントロールできる範囲は広い。これは業界を問わず言えることだと思っています。

学歴の話で消耗しそうになったら、電通の応募資格が「学歴不問・既卒可・30歳未満」だという一行に戻ってきてください。公式が出している、いちばん確かな情報です。

職種別の入口:総合職・クリエイティブ・データで入り方が違う

職種別の入口:総合職・クリエイティブ・データで入り方が違う

両社とも、職種ごとに入口が分かれています。ここを間違えると、そもそも受ける時期を逃します。

電通の3職種

  • 総合職:ビジネスプロデュース、マーケティング、クリエイティブ、メディア&コンテンツ、グローバルビジネス、ビジネス/デジタルトランスフォーメーションなど、すべての部署に配属の可能性がある。冬と春の年2回
  • デジタルクリエイティブ職:総合職としての採用で、初任配属がデジタルクリエイティブ部署。その後は他部署への異動の可能性あり。エントリーは春のみ
  • アート職:アートディレクターとしての採用。美術系の大学・学部、工学デザインや情報デザイン系の学部のほか、それ以外の学部でもデザインやビジュアルを用いた活動をしている人、大学外ですでに活動している人が対象。エントリーは春のみ

3職種はすべて併願できます。総合職でクリエイティブ配属になることもあると、よくある質問に明記されています。コピーライター、CMプランナー、コミュニケーション・デザイナーといった仕事です。

そして電通は、夏と冬にインターンを置いています。2026年実施分はいずれも募集を締め切っていましたが、内容は公開されていました。総合職向けの「電通総合ビジネスキャンプ」は4日間、クリエイティブ向けの「アイデアの学校」は8日間、アート職向けの「電通デザインサマースクール」は7日間、データ領域の「電通データサイエンスインターンシップ」は1ヶ月間。これらは採用選考直結型で、経由した選考の案内は10月を予定していると書かれています。冬のデジタルクリエイティブ職向け「テクノロジーとアイデアの学校」は7日間、2027年2月頃実施予定・11月頃エントリー開始予定とありました。

博報堂の3コース

博報堂の2028年度新卒採用は、総合職/クリエイティブ職(初期配属確約)/データサイエンス領域職種(初期配属確約)の3コースで動きます。コース名は変更の可能性があると注記されています。

夏のインターンシップは「ビジネスデザイン篇」「クリエイティブ篇」「マーケティングサイエンス篇」「データエンジニアリング篇」の4種類で、この4つは併願できません。冬は「ビジネスデザイン篇」「マーケティングサイエンス篇」「データエンジニアリング篇」の3種類で、こちらも併願不可。さらに夏のインターンに参加した人は、冬のインターンには応募できません。夏に応募して参加に至らなかった場合は、冬に応募できます。

注意:この併願ルールは見落としやすい部分です。「とりあえず全部出す」が通用しません。夏に何を出すかを決める段階で、自分がどの領域に行きたいかを一度考えておく必要があります。

クリエイティブ志望なら、選考と並行してやれることがもうひとつあります。宣伝会議が主催する宣伝会議賞です。1962年の創設以来「コピーライターの登竜門」として続いている公募広告賞で、一般部門は「年齢・職業・性別は一切問いません」と明記されています。昨年は60万点を超える作品が集まったとのことです。選考に直結するわけではありませんが、自分の企画が第三者の目でどう評価されるかを、就活の外側で試せる場としては貴重です。

落ちたときの別ルート:グループ会社・専門代理店・制作会社という現実的な選択肢

落ちたときの別ルート:グループ会社・専門代理店・制作会社という現実的な選択肢

公表されている数字を足しても、電通の2026年4月入社156名と博報堂の募集人数120名(予定)で300名に届きません。広告代理店の新卒採用は、この2社だけを見ていると落ちる人のほうが圧倒的に多くなります。ここで就活を折るのはもったいないので、公式情報から確認できる「別ルート」を整理します。

1. グループ会社を見る

電通グループの有価証券報告書に、国内の連結子会社が列挙されています。株式会社電通デジタル、株式会社電通東日本、株式会社電通西日本、株式会社電通九州、株式会社電通ライブ、株式会社電通プロモーションプラス、株式会社CARTA HOLDINGS、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社電通総研など。博報堂DYホールディングス側なら、株式会社博報堂のほかに株式会社Hakuhodo DY ONE、株式会社大広、株式会社読売広告社、株式会社大広WEDOといった会社が有価証券報告書に出てきます。

ただし、先ほどの表のとおり給与水準は会社ごとに違います。株式会社博報堂が平均年間給与10,990千円、株式会社Hakuhodo DY ONEが5,829千円(いずれも2026年3月31日現在)。「グループ会社ならどこでも同じ」ではありません。会社ごとの採用ページを個別に見てください。

2. 専門代理店・制作会社を見る

広告費の内訳を見ると、入口は総合代理店だけではないとわかります。電通の「2025年 日本の広告費」によれば、2025年のインターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で、総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数になりました。マスコミ四媒体広告費は2兆2,980億円(同98.4%)。プロモーションメディア広告費は1兆7,184億円(同102.0%)で、そのうち「イベント・展示・映像ほか」が4,748億円(同111.2%)と二桁成長しています。

この「イベント・展示・映像ほか」が、まさに私がいた領域です。大手代理店が取ってきた仕事を、実際に形にするのは制作会社やイベント会社でした。クライアントの名前も、扱う予算の桁も、総合代理店とそう変わらない仕事が普通にあります。入口の難易度だけが違う。私はこの構造を、業界に入って何年も経ってから理解しました。

デジタル領域の専門代理店、PR会社、CM・映像制作会社、SP・イベント会社。どれも「広告の仕事」です。総合代理店を第一志望にしつつ、同じ業界の別の入口を並行して見ておくのは、妥協ではなく単純に選択肢を増やす行為だと思っています。

3. 広告・クリエイティブに強いエージェントに相談する

新卒の就活が終わったあと、あるいは既卒として広告業界を狙い直す場合は、業界特化のエージェントが現実的な相談先になります。

株式会社マスメディアンは、宣伝会議グループの、マーケティング・クリエイティブ職種に特化した人材エージェントです。設立は2001年12月、厚生労働大臣許可番号は人材紹介13-ユ-040475/人材派遣 派13-040596。東京・名古屋・大阪・福岡に拠点があり、国家資格を持つキャリアコンサルタントが在籍していると会社案内に記載されています。

注意:マスメディアンは中途採用(転職)向けのサービスです。在学中の新卒就活そのものを支援するものではありません。学生向けには、同社が『マスナビ』を運営していると会社案内に書かれています(massnavi.com は2026年9月21日時点で、宣伝会議が運営する「AdverTimes. for Students」へ転送されます)。使い分けてください。

相談の対象になるのは、たとえばこういう状況です。新卒で別の業界に入ったが、やはり広告・クリエイティブに移りたい。既卒で広告業界を狙っている。制作会社に入ったが、代理店側に回りたい。電通の応募資格が「30歳未満・既卒可」である以上、新卒一括の外側にも道は残っています。

広告・マーケティング・クリエイティブ職に絞って相談したいとき

マスメディアンは宣伝会議グループの、マーケティング・クリエイティブ職種に特化した転職エージェントです。総合代理店だけでなく、専門代理店・制作会社・事業会社のインハウスまで、同じ業界の複数の入口をまとめて相談できます。評判と向き不向きはマスメディアンの評判と口コミを実体験ベースで解説に書きました。

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申し込む前に準備するものと面談までの流れはマスメディアンに申し込む前のチェックリストにまとめています。

下請けとして大手代理店と仕事をしてきた私が見ていたこと

下請けとして大手代理店と仕事をしてきた私が見ていたこと

ここは公式データではなく、私が現場で見てきた話です。数字は出しません。

イベント・コンサート業界で営業をしていた15年のあいだ、大手広告代理店がクライアントから受けた施策の、実施側に立つ機会が何度もありました。立場としては下請けです。代理店の担当者が進行を握り、私たちが会場を押さえ、機材を入れ、人を配置する。

最初のころ、私は「代理店の人は何をしているんだろう」と本気で思っていました。手を動かしているのは自分たちで、向こうは打ち合わせに来て、資料を配って帰っていく。そう見えたんです。

その見方が変わったのは、ひとつの案件で、クライアントと媒体と制作と会場と、関係者が全員バラバラの方向を向いた時でした。誰も動けなくなった。そこで座組みを組み直して、全員が同じ絵を見られる状態まで戻したのが代理店の担当者でした。現場で手を動かすのが私たちの仕事で、手が動く状態をつくるのが彼らの仕事だった。役割が違っただけだったんです。

この話が、就活とどうつながるか。電通の総合職の領域名を見てください。ビジネスプロデュース、マーケティング、クリエイティブ、メディア&コンテンツ、グローバルビジネス、ビジネス/デジタルトランスフォーメーション。博報堂の総合職も、ビジネスプロデュース、ストラテジックプラニング、クリエイティブ、PR、メディアプロデュース、メディアプラニング、コンテンツプロデュース。どれも「自分で作る」ではなく「作れる状態をつくる」側の言葉です。

だから面接で聞かれるのも、たぶん「あなたが何を作ったか」だけではありません。バラバラの人を、どう同じ方向に向かせたか。その経験のほうが効く気がします。サークルでも、バイトでも、ゼミでも構わない。私が採用側に座っていたときも、話が面白かったのは、きれいな成果を語る人より、うまくいかなかった場をどう動かしたかを話せる人でした。

代理店の仕事は、自分が主役になる仕事ではありません。そこを面白いと思えるかどうかが、入ったあとの分かれ目になります。

よくある質問

よくある質問

電通と博報堂、倍率が高いのはどちらですか

公式には比較できません。両社とも応募総数を公表していないため、倍率という数字が存在しません(2026年9月21日確認)。公開されているのは、電通が2026年4月入社156名・総合職の内々定は冬春それぞれ60名程度(昨年度実績)、博報堂が募集人数120名(予定)という採用側の数字だけです。

学歴フィルターはありますか

公式サイトの記載からは確認できません。電通は応募資格を「学歴不問・既卒可」とし、よくある質問で「理系・文系、学部卒・大学院卒などで選考時の有利・不利、および入社後の待遇の差はありません」と明記しています。博報堂は応募資格として学士号・修士号・博士号のいずれかの取得見込みを求めています。採用大学の一覧は両社とも公表していません。

電通の初任給35万円というのは本当ですか

公式採用サイトに「2026年4月入社の実績」として、基本給275,600円、リモートワーク手当5,200円、割増見合手当75,225円の合計356,025円と記載されています。ただし割増見合手当は固定時間外手当30時間分です。月30時間を超える所定時間外労働には別途支給があると書かれています。基本給だけを見ると275,600円です。

博報堂の年俸360万円は安くないですか

募集要項には「年俸制3,600,000円+超過勤務手当+業績賞与(年1回:次年度の6月末支給予定)」と記載されています(2026年度実績)。超過勤務手当と業績賞与は年俸に含まれません。なお博報堂DYホールディングスの有価証券報告書では、株式会社博報堂の平均年間給与が10,990千円、平均年齢40.1歳、平均勤続年数12.4年と開示されています(2026年3月31日現在)。

既卒ですが、新卒採用に応募できますか

電通は総合職・デジタルクリエイティブ職・アート職とも「2028年4月1日入社時点で30歳未満(学歴不問・既卒可)」としています。博報堂は「就業経験のないこと」が応募資格に入っており、学士号以上を取得済みで卒業後2年以内、その後別の専門学校等に在籍して2028年3月までに卒業・修了見込みの場合も応募できると記載されています。条件の細部が違うので、応募前に各社の募集要項を直接確認してください。

インターンに参加しないと不利になりますか

博報堂は「各インターンシップや選考ごとの応募有無や結果については、のちの選考には一切関係ございません」と明記しています。一方で2028年度新卒採用では夏と冬が原則インターンシップ経由の選考になるとも書かれているため、早い時期の入口はインターンに集まっているのが実態です。電通の夏・冬のインターンも採用選考直結型で、経由した人に早期選考の案内があると記載されています。

中途で電通や博報堂に入るのはどうですか

この記事は新卒採用に絞って書きました。中途採用(転職)の難易度、未経験からの現実的なルート、中小代理店の選択肢については広告代理店への転職が難しいと感じるFラン未経験者が知るべきことにまとめています。新卒とは評価される軸がまったく違うので、そちらを読んでください。

どの職種を選べばいいか分かりません

職種名だけでは判断しにくいと思います。広告代理店の仕事を職種別に解説した記事で、営業・プランナー・クリエイティブ・メディアがそれぞれ日々何をしているかを書きました。そのうえで、電通なら3職種併願が可能、博報堂なら夏と冬のインターンは併願不可というルールの違いを踏まえて、出す順番を決めるのが現実的です。

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