広告代理店はやめとけと言われる理由|新卒が入社前に確かめること

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広告代理店はやめとけと言われる理由|新卒が入社前に確かめること

うーなー

エンタメ・イベント業界15年超の会社員×副業ライター。Webデザイナーの妻がいます。夫婦でセールスライティング×デザインを駆使してLP制作やプロモーション全般を裏方としてサポートしてます。 SEO記事300本以上|立ち上げた企業ブログが6ヶ月で2万PV超え、問い合わせ増加|某出版社様メルマガ執筆実績等|

「広告代理店はやめとけ」と検索して、少し不安になっていませんか。結論から言うと、この言葉は「広告代理店そのものがダメ」という意味ではなく、仕事の仕組みから生まれる忙しさや板挟みへの警告です。だからこそ、会社と職種ごとに中身を確かめれば、自分に合うかどうかは判断できます。

応募を考える前に、次の3点を見ておきましょう。

  • 業態:総合広告代理店か、ネット広告代理店か、ハウスエージェンシーか
  • 新卒の配属:営業、メディア、プランニング、制作のどこから始まるか
  • 働き方の数字:月平均の残業時間、有給休暇の取得日数、新卒の離職者数

この記事は、広告やエンタメの仕事に興味があり、新卒で広告代理店を受けるか迷っている学生向けです。私はイベント・コンサート業界で15年以上働き、イベントのPR施策で広告代理店の担当者と一緒に仕事をしてきました。その経験もまじえて整理します。

制度や統計は、厚生労働省や会社の公表資料をもとにしています(2026年10月時点)。働き方の口コミは、就活メディアの記事で見た範囲です。応募するときは、各社の公式の最新情報で確認してください。

この記事の要点は3つです。「やめとけ」の理由は、クライアントに予定を合わせる仕事の仕組みにあること。忙しさは会社・部署・担当で大きく違うこと。そして、入社前に数字と配属を自分で確かめられることです。

広告代理店が「やめとけ」と言われる理由

理由の多くは「誰かの予定に合わせて動く仕事」であることにつながっています。仕組みとして知っておけば、口コミに振り回されにくいはずです。

スケジュールの主導権がクライアント側にある

広告代理店は、企業(クライアント)から広告の仕事を受けて、企画・制作・媒体の手配を進めます。そのため、締め切りを決めるのは自社ではなく、クライアントや媒体側であることが多いんです。

たとえば、新商品の発売日に合わせたキャンペーンなら、発売日は動きません。そこへ「この表現を変えたい」と修正が入れば、残りの日数で作り直すことになります。テレビや雑誌、Web広告にはそれぞれ入稿(広告データを媒体に渡すこと)の期限もあります。

検索で見た就活・転職メディアの記事でも、突発的な修正や入稿期限による残業が「きつい理由」として挙がっていました。忙しさに波がある仕事だと考えておくと、イメージとのずれが小さくなります。

社内外の調整役で、板挟みになりやすい

代理店の営業は、クライアントと社内のプランナー・制作スタッフ、さらに外部の制作会社や媒体の間に立ちます。全員の要望をつなぐ「交通整理」の役です。

私がイベントのPR施策で一緒に仕事をした代理店の担当者も、まさにその位置にいました。クライアントの希望を聞き、現場の私たちに伝え、予算や日程の折り合いをつける。間に立つ人ほど、双方から「なんとかしてほしい」と言われやすいんですよね。

この役割に面白さを感じる人もいれば、ずっと気を張る状態に疲れてしまう人もいます。「やめとけ」の声の一部は、この調整の重さから来ている、というのが私の見方です。

忙しさが配属と担当で大きく変わる

同じ会社でも、どの部署で、どのクライアントを担当するかで働き方はかなり変わります。残業時間も部署や担当、時期によって差が出やすいので、志望する会社の数字は、後で紹介する職場情報で確かめてください。

つまり、「広告代理店は激務」とも「意外とホワイト」とも、ひとことでは言えないということです。ある人の体験談は、その人の部署と時期の話にすぎません。

新卒の場合、配属は入社後に決まることが多く、希望が通るとも限りません。この「入ってみるまでわからない」部分が、不安を大きくしている面もありそうです。

長時間労働の問題が大きく報じられた

もう一つの背景は、過去の報道です。2015年12月に大手広告代理店の新入社員が亡くなった件が、長時間労働の問題として大きく報じられ、広告業界の働き方は社会問題として知られるようになりました。

この件は当時のある1社の出来事で、広告業界の今の働き方をそのまま表すものではありません。その後、その会社は22時以降の業務の原則禁止と全館消灯(22時〜翌5時)などの対策を進め、2016年11月には労働環境の改革本部を設けました(同社ニュースリリース、2016年11月1日)。

一方で、「数字は変わっても働き方の実感は変わっていない」という元社員の声を伝える記事もあります。どちらか一方だけを信じるのではなく、志望する会社の今の数字を自分で確かめるのが確実です。

「やめとけ」の声は、どの代理店の話かを分けて読む

「広告代理店」とひとまとめにされがちですが、実際は業態によって仕事の中身が違います。口コミを読むときは、どの種類の代理店の、どの職種の話なのかを分けて考えると判断しやすくなります。

総合・ネット・ハウスエージェンシーの違い

検索で見た範囲では、広告代理店は大きく次の3つに分けて説明されることが多いようです。

種類 主な仕事 働き方で見ておきたい点
総合広告代理店 テレビ・新聞・交通広告・Webなど、幅広い媒体の企画から制作まで 大型キャンペーンやイベントの山場に忙しさが集中しやすい
ネット広告代理店 検索広告やSNS広告などの運用、分析、レポート 数字の改善が日々求められる。広告の運用は毎日の管理が中心
ハウスエージェンシー 特定の企業グループの広告を中心に担当 親会社との関係が深く、仕事の進め方はグループの事情に左右される

表は一般的な傾向です。仕事内容を詳しく知りたい人は、広告代理店の仕事内容をまとめた記事も参考にしてみてください。

口コミは「いつ・どの部署の話か」で読む

口コミサイトやSNSの体験談は、生の声として役に立ちます。ただ、そのまま信じる前に、次の3点を確かめておきましょう。

  • いつの話か:働き方の見直しの前か後か
  • どの職種・部署の話か:営業か、制作か、メディアか
  • 会社の規模や業態:総合か、ネットか、中小の代理店か

たとえば、10年前の大手の営業の体験談と、今のネット広告代理店の運用担当の話では、前提がまったく違います。

ひとつの声で業界全体を判断せず、条件が近い声を集めるのがおすすめです。

入社前に働き方を確かめる方法

不安を減らすいちばんの方法は、思い込みではなく数字と生の声で確かめることです。新卒の就活生でも使える方法を3つ紹介します。

若者雇用促進法の「職場情報」を確かめる

若者雇用促進法(若い人の就職と職場定着を支える法律)では、新卒を募集する企業に職場情報の提供を求めています。厚生労働省の資料によると、項目は次のようなものです。

  • 過去3年間の新卒採用者数と離職者数
  • 前年度の月平均の所定外労働時間(いわゆる残業時間)
  • 前年度の有給休暇の平均取得日数
  • 研修の有無や、メンター制度などの育成の仕組み

応募者や応募を考えている学生から求めがあれば、企業は「募集・採用」「能力開発」「雇用管理」の3つの分野それぞれについて、1項目以上の情報を出さなければなりません(若者雇用促進法 第13条。3分野それぞれ1項目以上という範囲は厚生労働省の事業主向け資料による。2026年10月18日時点で確認)。ナビサイトの企業ページに載っていることもあります。

厚生労働省の「しょくばらぼ」で数字を比べる

「しょくばらぼ」は、厚生労働省が運営する職場情報の検索サイトです。企業名や業種で検索でき、企業が登録している範囲で、残業時間や有給休暇の取得率、平均年齢などが載っていることがあります。載っている項目は会社ごとに違います。

複数社を並べて比べられるのも便利な点です。ただし、全社が載っているとは限らず、空欄の項目もあります。

数字が見つからない会社は、説明会や面接で「月平均の残業時間はどれくらいですか」と聞いてみるのも一つの方法です。「入社後の働き方をイメージしたいので」と理由を添えると、質問の意図が伝わりやすくなります。

OB・OG訪問で配属と忙しさを聞く

数字だけではわからないのが、実際の1日の流れや、忙しい時期の過ごし方です。ここはOB・OG訪問で聞くのがいちばん確かです。

たとえば、次のような質問が使えます。

  • 新卒1年目の配属は、どのように決まりましたか
  • いちばん忙しかった時期は、どんな仕事が重なっていましたか
  • 忙しい時期とそうでない時期の差は、どれくらいありますか

「激務ですか?」と聞くより、具体的な場面を聞くほうが、相手も答えやすいんです。複数の人に話を聞くと、部署ごとの違いも見えてきます。

広告代理店に向いている人・合わない人

ここまでの話を踏まえて、向き・不向きを整理します。「合わない」に当てはまっても、業態や職種を選び直す材料にすれば十分です。

向いている人 合わないかもしれない人
人と人の間に立って調整するのが苦にならない 自分のペースで黙々と進めたい
予定の変更に合わせて切り替えられる 計画どおりに進まないと強いストレスを感じる
流行や世の中の話題を追うのが好き 広告そのものより、作品づくりに集中したい
「伝わる形」を考えるのが楽しい 自分のアイデアを形にすることだけが目的

向いている人は「つなぐ役」を楽しめる人

検索で見た就活メディアでは、コミュニケーションの力や情報収集の力、短い納期に対応できるスピード感が求められる素養として挙がっていました。

学生時代にサークルやアルバイトで、意見の違う人たちをまとめた経験があるなら、それは広告代理店の仕事に近い感覚かもしれません。

合わないかもしれない人は「作る」に集中したい人

一方で、「自分の手で作品を作りたい」という気持ちが強い人は、代理店の働き方に物足りなさを感じることがあります。代理店の仕事は、自分で作るより、作る人をそろえて進める比重が大きいからです。

その場合は、制作会社やクリエイティブ職を中心に採用している会社を見るほうが、やりたいことに近いかもしれません。また、予定の変更が続くと強く消耗するタイプなら、業態や職種ごとの忙しさの波を、OB・OG訪問で詳しく聞いてから決めると安心です。

「合わない」は、能力の問題ではなく相性の問題です。

それでも目指すなら:会社選びの3つの視点

広告代理店で働いてみたい気持ちがあるなら、「やめとけ」の声を理由にあきらめる必要はありません。合わない環境を避けるための選び方を3つ紹介します。

業態と主な取引先で選ぶ

まずは、その会社がどの業態で、どんな業界のクライアントを多く持っているかを見ましょう。公式サイトの実績ページや、会社説明会の資料が手がかりになります。

エンタメが好きで広告代理店を目指す人は、ここが見落としがちなポイントです。広告代理店に入っても、エンタメの仕事を担当できるとは限りません。食品、自動車、通信など、担当する業界は配属で決まることが多いからです。

「エンタメの広告をやりたい」のか、「広告という仕事をやりたい」のか。自分の気持ちを一度分けておくと、会社選びの軸がはっきりします。

新卒の配属と育成の仕組みを確かめる

次に、新卒がどこに配属され、どう育てられるかを確かめます。研修の期間、配属の決まり方、ジョブローテーション(部署を移りながら経験を積む仕組み)の有無などです。

育成の仕組みがある会社なら、最初の数年で基礎を身につけやすくなります。反対に、入ってすぐ現場を任される会社は、成長の速さと引き換えに負担も大きくなりがちです。

大手の総合広告代理店を目指す人は、電通・博報堂の新卒採用の難しさをまとめた記事も読んでおくと、選考の全体像がつかみやすくなります。

「合わなかったとき」の道も知っておく

もし合わなかったらどうなるかも、軽く知っておくと気持ちが落ち着きます。代理店で身につく調整力や企画の経験は、事業会社の宣伝部など別の仕事にもつながるからです。

新卒の段階で転職を考える必要はありません。ただ、出口があると知っているだけで、「合わなければ終わり」と思い込まずにすみます。代理店からの転職の実情は、広告代理店からの転職をまとめた記事で整理しています。社会人向けの内容なので、参考程度にどうぞ。

よくある質問

広告代理店は離職率が高いのですか?

広告業だけを切り出した公的な離職率は、私は確認できませんでした。厚生労働省の公表では、2022年3月に大学を卒業して就職した人の3年以内の離職率は33.8%です(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」、2025年10月公表)。これは全産業の数字なので、志望する会社の新卒離職者数を、職場情報で個別に確かめるのが確実です。

体育会系でないと広告代理店は厳しいですか?

体育会系でないと入れない、という条件を示した公的な根拠は、私は確認できていません。選考で見られやすいのは、部活の経歴そのものより、人と協力して物事を進めた経験を具体的に話せるかどうかだと私は考えています。

エンタメの広告に関わるなら、ほかにどんな道がありますか?

レコード会社や映画会社、ゲーム会社などの宣伝部も、エンタメの広告に関わる仕事です。自社の作品に絞って関われるのが、代理店との違いです。どちらが合うかは、担当したい範囲で考えてみてください。

まとめ:「やめとけ」の理由を知って、自分で確かめる

広告代理店が「やめとけ」と言われるのは、クライアントの予定に合わせて動き、社内外の調整を担う仕事の仕組みがあるからです。ただ、その忙しさは業態・部署・担当で大きく変わります。

最初の一歩として、志望する代理店を2〜3社選び、業態・新卒の配属・残業時間と有給取得日数・新卒の離職者数をメモに並べてみてください。空欄になった項目が、説明会やOB・OG訪問で聞くことです。自分の目で確かめた情報なら、誰かの「やめとけ」より、ずっと頼りになるはずです。

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