「30代未経験でエンタメ業界に転職なんて無理だよ」「今さら夢を追うのはやめとけ」
そんな言葉を聞いて、諦めかけていませんか?
確かに、30代での未経験転職は簡単ではありません。
年収が下がるリスク、不規則な労働時間、即戦力を求められるプレッシャー。エンタメ業界特有の厳しさもあります。
しかし、結論から言えば30代未経験でもエンタメ業界への転職は十分に可能です。
私自身、エンタメ業界で10年以上働いてきましたが、実は業界内でもWebマーケティングという未経験だった職種への転職を経験しています。
当時は「業界経験はあっても、この職種は未経験だから無理では?」と不安でした。
でも、それまでの営業経験やイベント運営のスキルを活かすことで、転職を成功させることができました。
さらに、業界で働く中で、30代から全くの異業種からエンタメ業界に飛び込み、活躍している人たちを数多く見ています。
前職が不動産営業、IT企画、販売員など、バックグラウンドは様々です。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由を正直に伝えた上で、それでも転職を成功させる4つのコツを実体験ベースで解説します。
年収の実態、狙うべき職種、活かせるスキル、おすすめの転職エージェントまで、転職成功に必要な情報を全て詰め込みました。
あなたの「エンタメ業界で働きたい」という想いを、現実にするための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
【結論】30代未経験でエンタメ業界への転職は可能だが、戦略的なアプローチが必要
30代未経験でエンタメ業界への転職は可能です。
ただし、20代と同じやり方では通用しません。
30代には30代なりの戦略が必要になります。
企業が30代の転職者に求めるのは「ポテンシャル」ではなく「即戦力性」です。
未経験であっても、前職で培ったスキルや経験をエンタメ業界でどう活かせるかを明確に示す必要があります。
例えば、営業経験があればクライアント折衝力、企画経験があればプロジェクト推進力といった形で、業界が違っても通用するポータブルスキルをアピールすることが重要です。
また、職種選びも戦略的に行う必要があります。
いきなりクリエイティブ職を目指すのではなく、未経験でも採用されやすい営業職やバックオフィス職から入り、徐々に希望の職種にシフトしていく方が現実的です。
実際、私の周りで30代未経験から転職に成功した人の多くは、この段階的アプローチを取っています。
30代未経験転職者がエンタメ業界で求められている理由
実は今、エンタメ業界では30代の転職者が積極的に求められています。
その理由は大きく3つあります。
①業界全体の人材不足
エンタメ業界は長時間労働や不規則な勤務形態から敬遠されがちで、慢性的に人手が足りていません。
私がいた職場の多くも、なかなか人が定着せずに困っている会社もありました。
特にコロナ禍を経て、デジタル化やマーケティングの強化が急務となり、これまで業界になかったスキルを持つ人材が必要とされています。
②30代が持つビジネス経験の価値
エンタメ業界は若手が多い反面、マネジメント層が薄い企業が少なくありません。
10年程度の社会人経験があれば、プロジェクト管理能力やチームマネジメントのスキルが身についているため、重宝されます。
実際、私が以前働いていた制作会社でも、元銀行員の方が経理部門の責任者として活躍していました。
③多様な視点の必要性
エンタメ業界も昔のような閉鎖的な業界ではなく、ビジネスとして成長するためには外部の視点が不可欠になっています。
ただし、まだまだ人の入れ替えがなく、外の世界をほとんど知らない会社も多く存在します。
異業種で培った知見や発想は、業界に新しい風を吹き込む貴重な資産となるのです。
30代未経験からの転職事例【3パターン】
私がこれまで6社ほど経験してきた中で、イベント業界にいた同僚の例を参考に、転職事例を3つ紹介します。
事例①:不動産営業からイベント企画へ(34歳・男性)
前職で培った法人営業力とプレゼンスキルを活かし、イベント制作会社の営業職として転職。
入社後は企画にも携わるようになり、現在はイベントプロデューサーとして活躍しています。
年収は前職から50万円ダウンしましたが、3年後には元の水準まで回復したそうです。
事例②:IT企画職から社内Web担当へ(32歳・男性)
システム系の会社からイベント制作会社に、Web担当として転職。
前職でのIT関連業務の経験を武器に、業界未経験ながら即戦力として採用されました。
年収は下がったと聞いていますが、エンタメ業界は意外とデジタル人材が不足しているため、やりがいがあると楽しそうに働いていました。
事例③:販売員から制作進行へ(30歳・女性)
アパレル販売員からイベント制作会社の営業・制作進行に転職。
接客で培ったコミュニケーション能力と、スケジュール管理能力が評価されました。
年収は一時的に100万円ダウンしましたが、「好きな仕事ができる」充実感が何より大きかったようです。
「エンタメ業界への転職はやめとけ」と言われる5つの理由
エンタメ業界に未経験から転職するのはやめとけ、という声が一定数存在します。
筆者が経験してきた会社の中で、やはり大変な思いをして業界から離れていった人たちもいます。
そんな方々から実際に聞いた声を元にご紹介します。
理由①:年収が下がる可能性が高い
エンタメ業界の平均年収は、他の業界と比較してやや低めです。
特に未経験で入社する場合、年収300万円代からのスタートとなることが多く、30代だと400万円〜500万円以上稼いでいる方は、相当な場合は年収ダウンも覚悟しなければなりません。
ただし、これは入社時の話です。
実力をつければ昇給のスピードは速く、3〜5年で元の水準に戻すことも十分可能です。
また、職種によっても大きく異なります。
営業職やマーケティング職は比較的高年収を狙いやすく、クリエイティブ職やアシスタント職は低めの傾向があります。
私も20代の頃に未経験でイベント業界に転職した際、新卒ながら300万円ほどあった年収が、転職当初は250万円まで下がりました。
短期的な年収ダウンを許容できるかどうかが、未経験での挑戦には高確率でつきまとう課題です。
理由②:労働時間が不規則で「しんどい」
エンタメ業界の労働環境は、確かに厳しい面があります。
イベントや撮影が入れば土日出勤は当たり前、深夜まで働くことも珍しくありません。
私自身、コンサート業界で働いていた頃は、本番前は連日終電帰りならいい方で、本番当日は朝から翌日の深夜3時、4時まで現場に張り付くという生活でした。
ただし、これも職種や企業規模によって大きく異なります。
現場職(制作、イベント運営など)は不規則になりがちですが、バックオフィス職やマーケティング職は比較的規則正しい勤務が可能です。
また、大手企業や上場企業は働き方改革が進んでおり、残業管理も厳格になっています。
最近では、リモートワークを導入する企業も増えてきました。
私が現在働いている会社では、リモート勤務も可能で、以前より格段にワークライフバランスが改善されています。
理由③:即戦力が求められ、未経験者には厳しい
30代の転職では「未経験だから」という言い訳は通用しません。
企業側は即戦力を期待しており、入社後すぐに成果を出すことが求められます。
業界の専門知識がない中で結果を出すプレッシャーは、想像以上に大きいものです。
しかし、裏を返せば、前職のスキルを活かして早期に成果を出せれば、高く評価されるということでもあります。
私の場合、エンタメ業界でのWebマーケティング経験はゼロでしたが、副業で培ったSEOやSNS運用のスキルをそのまま応用することで、3ヶ月でオウンドメディアのPV数を10倍に増やすなど、社内で一目置かれる存在になれました。
重要なのは、「未経験だから何もできない」ではなく、「前職の経験をこの業界でどう活かせるか」を考え、実行することです。
理由④:業界の景気変動が激しい
エンタメ業界はトレンドや景気の影響を受けやすく、収益が安定しない企業も少なくありません。
コロナ禍ではイベント業界が壊滅的な打撃を受けたように、外部環境の変化に脆弱な面があります。
私も実際、コロナ禍には一度全ての担当イベントがキャンセルになり、実質仕事がゼロになりました。
3ヶ月間自宅待機を余儀なくされ、その後も回復まで試行錯誤の日々でした。。。
ただし、これはピンチでもありチャンスでもあります。
変化が激しいからこそ、新しいアイデアやスキルを持つ人材が重宝されます。
実際、コロナ禍を機にオンラインイベントやデジタルコンテンツが急成長したのです。
所属している会社でも、対面での営業活動に加え、Web集客に力を入れるようになったことから、私もWebマーケティング担当者として活動できています。
なお、安定を最優先するなら、大手企業やグループ傘下の企業を選ぶことをおすすめします。
親会社の資本力があれば、業界全体が不況でも雇用は比較的安定しています。
理由⑤:華やかなイメージと現実のギャップ
「エンタメ業界=華やか」というイメージを持って入社すると、現実とのギャップに苦しむことになります。
実際の仕事は地味な作業の積み重ねで、有名アーティストや俳優と関われるのは一部の人だけです。
私も最初は「音楽業界で働ける!」と期待に胸を膨らませていましたが、実際には契約書のチェック、予算管理、スケジュール調整といった裏方作業が大半でした。
しかし、そうした地道な仕事の先に、ライブが成功し、お客様が喜ぶ姿を見たとき、他では味わえない達成感を得られます。
華やかさを求めるのではなく、「エンタメ業界の裏側で価値を生み出すこと」に喜びを感じられるかどうかが、長く働き続けられるかの分かれ目です。
それでもエンタメ業界に転職する価値がある3つの理由
大変さはご理解いただけたのかなと思いますが、一方で、エンタメ業界ならではの価値もたくさんあります。
私も実際に実感していることがたくさんあるので、その辺りもお伝えしますね。
①好きなことを仕事にできる充実感
厳しい面はあっても、好きなことに関われる喜びは何物にも代えがたいものです。
音楽が好きなら音楽業界で、映画が好きなら映像業界で働けることは、毎日の仕事に意味と充実感を与えてくれます。
私の同僚には、大手メーカーのを辞めてイベント制作会社に転職した方がいます。
年収は下がりましたが、「毎朝起きるのが楽しみになった」と語っていました。
週末に家族と過ごす時間は減りましたが、仕事での笑顔が増えたことで家庭の雰囲気も良くなったそうです。
もちろん「好き」だけで続けられるほど甘くはありませんが、辛い時期を乗り越える原動力になることは間違いありません。
②他業界では得られない経験とスキル
エンタメ業界では、クリエイティブな思考力、柔軟な対応力、多様な人とのコミュニケーション能力など、他業界では得にくいスキルが身につきます。
特に、限られた予算と時間の中で最大の成果を出す「プロデュース力」は、どの業界でも通用する貴重なスキルです。
また、業界特有の人脈も大きな財産になります。
アーティスト、クリエイター、メディア関係者など、多彩な人々とのネットワークは、将来的に独立やフリーランスとして活動する際の強力な基盤となります。
③長期的なキャリアアップの可能性
エンタメ業界は実力主義の傾向が強く、年齢や学歴よりも「何ができるか」が重視されます。
成果を出せば、30代後半でも管理職やプロデューサーに抜擢されることは珍しくありません。
また、業界内での転職も活発なため、複数の企業を経験することでキャリアの幅を広げやすい環境です。
私もイベント制作会社などイベント業界の会社を複数渡り歩き、営業職や制作業務などを経て、現在はWebマーケティングを担っています。
さらに、フリーランスや起業という選択肢も現実的です。
業界での経験と人脈があれば、独立後も仕事に困ることは少なく、自分の裁量で働き方をコントロールできます。
30代未経験でも転職しやすいエンタメ業界の職種5選
30代未経験というと、なかなか転職自体が難しいイメージが先行しますよね。
ですが、職種によっては十分未経験からでも転職可能です。
それぞれ紹介していきます。
①営業職・法人営業(最も未経験転職しやすい)
エンタメ業界の営業職は、最も未経験転職しやすい職種です。
イベント制作会社、広告代理店、音楽レーベル、映像制作会社など、あらゆる企業で営業人材が求められています。
前職で営業経験があれば、業界が違っても基本的なスキルは共通しています。
クライアントへの提案力、交渉力、スケジュール管理能力などは、そのまま活かせます。
私が知る限り、30代未経験でエンタメ業界に転職した人のの多くは営業職からスタートしています。
年収レンジは400万円〜700万円程度で、成果に応じたインセンティブが付く企業も多いため、実力次第で高収入も狙えます。
まずは営業で業界に入り、その後企画やプロデュース職にキャリアチェンジするというパターンもおすすめです。
②イベント企画・プロデューサー補助
コンサート、展示会、フェス、企業イベントなど、イベント業界は常に人手不足です。
特にプロデューサーやディレクターの補助ポジションは、未経験でも採用されやすい傾向があります。
前職でプロジェクト管理やチーム調整の経験があれば、それをアピールできます。
イベント制作は多数の関係者(会場、出演者、スポンサー、制作スタッフ等)を調整する仕事なので、コミュニケーション能力と調整力が何より重要です。
最初は雑務が多く、体力的にもきついですが、経験を積めば独り立ちしてプロデューサーになれる可能性があります。
③マーケティング・Webマーケター
デジタル化が進むエンタメ業界では、Webマーケティング人材が不足しています。
SNS運用、SEO、広告運用、データ分析などのスキルがあれば、未経験でも即戦力として評価されます。
私の場合は、副業でWebマーケティング・ライティングなどの実務経験もあったことから、正社員の職種としては未経験の扱いではあったものの、業界歴10年以上の知識や経験もあったため、無事にWebマーケターとして受け入れてもらえました。
業界知識は入社後に学べばよく、マーケティングスキルさえあれば十分通用します。
リモートワークも導入しやすい職種なので、ワークライフバランスも取りやすいです。
④バックオフィス系(総務・経理・人事)
経理、人事、総務といったバックオフィス職も、未経験転職しやすい職種です。
前職で同じ職種の経験があれば、業界が違っても即戦力として採用されます。
エンタメ業界の企業は、クリエイティブ人材は豊富でも、管理部門が手薄なことが多いです。
そのため、しっかりとした経営管理ができる人材は重宝されます。
特に上場を目指すベンチャー企業では、コーポレート人材への需要が高まっています。
勤務時間も比較的規則正しいため、家族との時間を大切にしたい方にもおすすめです。
華やかさはありませんが、会社の成長を裏から支えるやりがいがあります。
⑤制作進行・アシスタントディレクター
映像制作やテレビ番組制作の現場では、制作進行(制作AD)が常に必要とされています。
未経験でも採用されやすく、現場の最前線でエンタメ業界を体感できる職種です。
ただし、労働時間は長く、体力勝負の面があります。
撮影スケジュールに合わせて早朝から深夜まで働くこともあり、30代で家族がいる場合は覚悟が必要です。
年収も300万円〜450万円程度と低めですが、経験を積めばディレクターやプロデューサーへのステップアップが可能です。
「まずは現場を知りたい」「将来はクリエイティブ職を目指したい」という方には、キャリアの入口として最適です。
【実体験】業界経験者が未経験職種に転職した方法
私はイベント企画制作の会社やライセンスを扱う会社等の営業や現場ディレクターとして10年以上働いた後、Webマーケティング職に転職しました。
業界経験はあっても、デジタルマーケティングは完全に未経験。
その中で選んだのがWebライティングの副業。
「今さら新しいスキルを身につけられるのか」といった葛藤もありました。
でもそれがきっかけとなり、今があります。
転職理由:現場仕事からの脱却とスキルアップ
転職を決意した理由は、現場中心の働き方に限界を感じたからです。
イベント営業は土日出勤が多く、家族との時間がほとんど取れませんでした。
また、現場スキルは身についても、汎用性のあるビジネススキルが不足していることに危機感を覚えました。
さらにはコロナ禍での大打撃。。。
「このまま10年後、20年後も同じ働き方ができるのか」
「もし業界が縮小したら、自分は他で通用するのか」
そんな不安から、ポータブルスキルを身につけられる職種への転職を決意しました。
Webマーケティングを選んだのは、今後どの業界でも必要とされるスキルだと感じたからです。
エンタメ業界でもデジタル化が進んでおり、その知識があれば市場価値が上がると考えました。
活かせたスキル:営業経験とイベント運営の知識
転職活動では、
「営業で培ったクライアント折衝力」
「イベント運営でのスケジュール管理能力」
「イベント業界の知見」の3つをアピールしました。
前提知識をもとに、今の会社へのWebの取り組み状況を聞き、SEOやセールスライティングで役に立てそうなことをお伝えしたところ、迎え入れてもらえました。
転職活動で苦労した点と乗り越え方
最も苦労したのは、スキルの証明です。
実務経験がないため、副業でやっているとはいえ、いわゆるWeb制作会社などWebマーケティング専門の会社では「本当にマーケティングができるのか」と疑問を持たれました。
そこで、独学でWebマーケティングを学び、自分のブログを立ち上げてSEO対策を実践しました。
その中で、業界知識だけでなく、営業やディレクションなど、Webマーケティング以外のスキルも併せてアピールしました。
「未経験でもここまでできる」という姿勢が、採用担当者に伝わったのだと思います。
また、転職エージェントの活用も重要でした。
エンタメ業界に特化したエージェントは、業界内の非公開求人を多く持っており、私の経歴に合った求人を紹介してくれました。
一人で転職活動をしていたら、今の会社には出会えなかったでしょう。
30代未経験のエンタメ業界転職を成功させる4つのコツ
30代未経験で実際にエンタメ業界への転職を成功させるコツを、4つに分けてご紹介します。
コツ①:前職の経験を「エンタメ業界用」に翻訳する
30代の転職では、前職の経験をいかにエンタメ業界に結びつけるかが勝負です。
同じスキルでも、表現の仕方次第で評価が大きく変わります。
営業経験者の場合
法人営業の経験は、エンタメ業界で非常に重宝されます。
「新規顧客開拓」→「スポンサー獲得」、「既存顧客フォロー」→「アーティストリレーション」、「提案資料作成」→「企画書作成」といった形で、言葉を置き換えるだけで、エンタメ業界での即戦力性が伝わります。
具体的な数字も重要です。
「売上○○円達成」よりも「前年比○○%アップ」「新規顧客○○社開拓」のように、改善率や件数を示すと説得力が増します。
企画・マーケティング経験者の場合
商品企画やマーケティングの経験は、エンタメ業界の企画職に直結します。
「市場調査」→「トレンド分析」、「プロモーション企画」→「アーティストプロモーション」、「KPI管理」→「動員数・視聴数管理」と読み替えられます。
特にデジタルマーケティングの経験(SNS運用、広告運用、データ分析等)は、今最も求められているスキルです。
具体的なツール名(Google Analytics、Meta広告、Tableauなど)を記載すると、即戦力として評価されやすくなります。
バックオフィス経験者の場合
経理、人事、総務の経験は、どの業界でも通用する普遍的なスキルです。
「予算管理」→「制作費管理」、「採用業務」→「クリエイター採用」、「社内規程整備」→「コンプライアンス体制構築」のように、エンタメ業界の文脈に合わせて表現しましょう。
特に上場準備中の企業やベンチャー企業では、内部統制やガバナンス強化が課題となっているため、こうした経験は高く評価されます。
コツ②:まずは「入りやすい職種」から狙う
30代未経験の場合、いきなり希望職種を狙うのではなく、まずは「入りやすい職種」で業界に入り、徐々にシフトしていく戦略が現実的です。
未経験歓迎の求人が多い職種リスト
これらの職種で実績を積み、2〜3年後に希望職種に社内異動または転職するのが理想的なパターンです。
実際、私の知人でディレクターになった人の多くは、最初は営業や制作進行から入っています。
大手企業 vs 中小企業の違い
大手企業は給与・福利厚生が充実しており、働き方改革も進んでいますが、未経験採用の枠は少なく競争率が高いです。
一方、中小企業やベンチャーは採用ハードルが低く、幅広い業務を経験できますが、給与は低めで労働時間も長い傾向があります。
30代未経験の場合、まずは中小企業で実績を積み、3〜5年後に大手企業へステップアップするというキャリアパスがおすすめです。
私自身も、最初は従業員50名のイベント会社に入り、その後大手グループ企業へ転職しました。
コツ③:エンタメ業界特化型の転職エージェントを活用する
エンタメ業界に入るためには、業界特化型の転職エージェントを利用するのがおすすめです。
他のエージェントとの違いは以下の通りです。
一般的な転職サイトとの違い
リクナビやマイナビなどの大手転職サイトにもエンタメ求人はありますが、業界特化型エージェントには以下のメリットがあります。
非公開求人の重要性
エンタメ業界の優良求人の多くは非公開です。
理由は、公開すると応募が殺到してしまうこと、競合他社に採用活動を知られたくないこと、などが挙げられます。
私が現職に転職した際も、エージェント経由の非公開求人でした。
求人サイトには一切掲載されておらず、エージェントに登録していなければ出会えなかった求人です。
特に30代向けの求人は非公開が多いため、エージェント活用は必須と言えます。
コツ④:段階的なキャリアアップ戦略を立てる
最後のコツは、段階的なキャリアアップです。
どういうことかを説明しますね。
まずは「業界に入る」ことを優先
30代未経験の転職では、最初から理想の職種や企業を狙うのではなく、「まずは業界に入る」ことを最優先にすべきです。
一度業界に入ってしまえば、業界内での転職は格段に容易になります。
私の元同僚は、最初は営業として業界でのスタートしましたが、3年後には大手制作会社で制作を学び、将来はオリジナルのグッズを作りたいと言った、かなり具体的なビジョンを掲げて行動していました。
最初の一歩さえ踏み出せば、後のキャリアは大きく開けます。
1〜3年後のキャリアパスを描く
転職時点で、1年後・3年後のキャリア像を明確にしておくことが重要です。
例えば、「1年目:営業で業界知識を習得、2年目:企画業務に携わる機会を増やす、3年目:プロデューサーに昇格または転職」といった具体的な目標を設定します。
面接でも、「最終的にはプロデューサーを目指していますが、まずは営業で業界を学びたい」という風に、キャリアビジョンを示すと、成長意欲が評価されるでしょう。
企業側も、長期的に活躍してくれる人材を求めているため、明確なキャリアプランは好印象を与えます。
エンタメ業界に向いてる人・向いてない人の特徴
エンタメ業界は他の業界とは異なる要素が多いです。
そのため、向き不向きは割と顕著に現れやすいです。
チェックリスト付きで、それぞれご紹介します。
向いてる人の特徴5選
エンタメ業界に向いている人は以下の通りです。
①エンタメが本当に好きな人
当然ですが、エンタメへの情熱は不可欠です。
辛い時期を乗り越える原動力になります。
②変化を楽しめる人
エンタメ業界は日々状況が変わります。
柔軟に対応できる適応力が求められます。
③コミュニケーション能力が高い人
多様な関係者と調整する場面が多く、対人スキルは必須です。
④タフネスとストレス耐性がある人
厳しい締め切りやプレッシャーに耐えられる精神力が必要です。
⑤主体的に動ける人
指示待ちではなく、自ら考えて行動できる人が評価されます。
向いてない人の特徴3選
エンタメ業界に向いていない人は以下の通りです。
改善するというよりは、どう活かせるかを考えるのが良いでしょう。
①安定志向が強すぎる人
業界の浮き沈みは避けられません。
リスクを許容できない人には厳しいでしょう。
収入面に不安がある場合は、副業可能な会社を選ぶなど、柔軟な選択をするのがおすすめです。
私も副業を許可してもらい、会社員をしながらもライター活動などをしています。
②ワークライフバランスを最優先する人
職種にもよりますが、特に現場職は長時間労働が避けられません。
どうしても両立したい人はバックオフィス系の職種などを選択するのが賢明でしょう。
③プライドが高すぎる人
年下の上司や、異業種から来た同僚と協力する場面も多いです。
多種多様な考え方の人と接するため、意見がぶつかったり、やり方が異なることに違和感を感じることもあるでしょう。
柔軟性がないと苦しくなります。
適性診断チェックリスト
以下の項目に7つ以上当てはまれば、エンタメ業界に向いている可能性が高いです。
30代未経験のエンタメ転職で失敗しないための注意点
注意点①:「好き」だけで飛び込まない
「エンタメが好き」という気持ちは大切ですが、それだけでは不十分です。
業界の厳しさを理解せずに飛び込むと、理想と現実のギャップに苦しむことになります。
転職前に、業界研究を徹底的に行いましょう。
実際に働いている人に話を聞く、業界イベントに参加する、SNSで情報収集するなど、リアルな情報を集めることが重要です。
注意点②:年収ダウンを想定した資金計画
30代で家族がいる場合、年収ダウンは生活に直結します。
転職前に、最低でも6ヶ月分の生活費を貯蓄しておくことをおすすめします。
また、転職後1〜2年は年収が低い状態が続く可能性があるため、住宅ローンや教育費などの固定費を見直し、削減できるものは削減しておきましょう。
私の場合、転職前に家計を見直し、月5万円のコストカットに成功しました。
これにより、年収ダウンの不安が大幅に軽減されました。
注意点③:家族の理解を得る
30代既婚者の転職で最も重要なのは、家族の理解です。
年収ダウン、労働時間の増加、休日出勤など、家族に負担をかけることを事前に説明し、納得してもらう必要があります。
私は妻に対して、転職理由、将来のキャリアプラン、年収の見込み、家族との時間をどう確保するかを、資料にまとめて説明しました。
最初は反対されましたが、真剣に向き合うことで最終的には応援してもらえました。
結果として、今は理想的な環境で働けており、家族の理解が得られて良かったと心から思います。
注意点④:ブラック企業の見極め方
エンタメ業界には、残念ながらブラック企業も存在します。
以下のような特徴がある企業は要注意です。
転職エージェントに企業の評判を聞いたり、口コミサイト(転職会議など)で事前にチェックしたりすることが重要です。
エンタメ業界に強いおすすめ転職エージェント3選【2025年最新】
30代未経験からのエンタメ転職を成功させる最大の鍵は、適切な転職エージェントの活用です。
自力で求人を探すだけでは、出会える求人は全体のわずか30%程度。
残りの70%は非公開求人として、転職エージェント経由でしか応募できません。
特にエンタメ業界は人脈採用が主流のため、エージェントを使わないことは、チャンスを自ら捨てているようなものです。
ここでは、私自身が実際に利用し、業界経験者として自信を持っておすすめできる3社を厳選してご紹介します。
すべて無料で利用できますし、とりあえず登録しておくだけでも問題ありません。
エージェントと話してみて、相性が合わなさそうならやめても問題ありません。
まずは情報収集から始めてみてください。
①【エンタメ業界特化】マスメディアン
マスメディアンは、広告・Web・マスコミ・エンタメ業界に完全特化した転職エージェントです。
運営元は宣伝会議グループで、業界との太いパイプが最大の強み。
大手広告代理店、音楽レーベル、映像制作会社、イベント企業など、エンタメ業界の優良企業との取引実績が豊富です。
特徴と強み
業界出身のキャリアアドバイザーが在籍
担当者自身がエンタメ・マスコミ業界での勤務経験があるため、「30代未経験でも転職できる職種」「企業の本当の社風」「面接で何をアピールすべきか」といった、業界のリアルな情報を教えてくれます。
一般的なエージェントでは得られない、実践的なアドバイスが受けられます。
非公開求人が全体の約60%
マスメディアンが保有する求人の約60%は非公開。特に30代向けのマネジメント層求人や、年収600万円以上のポジションは非公開になっているケースが多く、登録しないと出会えません。
未経験者向けの求人も豊富
「エンタメ特化=経験者向け」と思われがちで、マスメディアンも確かに経験者向けの求人は多いですが、未経験歓迎の求人も多数保有。
営業職、マーケティング職、バックオフィス職など、30代未経験でも狙える求人を積極的に紹介してくれます。
書類通過率が圧倒的に高い
企業との信頼関係が深いため、マスメディアン経由の応募は書類選考の通過率が高いと評判です。
私の知人も、過去に一般応募では書類で落ちた企業に、数年後マスメディアン経由で応募したところ面接に進め、最終的に内定を獲得しました。
登録後の流れ
マスメディアンの登録後の流れは以下の通りです。
私も登録していますが、これまで無理に転職を迫られることはありません。
気軽に登録してみてください。
\クリエイティブ系の職種に圧倒的に強い!/
②【総合型最大手】リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界最大手の総合型転職エージェントです。
エンタメ業界の求人だけでも相当数の求人数を保有しており、職種・企業規模・勤務地など、あらゆる選択肢から自分に合った求人を選べます。
特化型ほど深い業界知識はありませんが、求人数が圧倒的に多く、幅広い選択肢から選べるのが強みです。
また、転職サポート体制が充実しており、履歴書添削や面接対策も丁寧に行ってくれます。
特徴と強み
エンタメ業界の求人数が圧倒的
音楽、映像、イベント、ゲーム、アニメ、配信サービスなど、エンタメ業界のあらゆる分野の求人を網羅。
特化型エージェントでは扱っていない中小企業やベンチャーの求人も豊富です。
大手企業・上場企業の求人に強い
誰もが知るような大手エンタメ企業の求人も多数保有。
「まずは安定した大手で経験を積みたい」という方に最適です。
30代転職のノウハウが豊富
年間10万人以上の転職支援実績があり、30代の転職サポートにも精通しています。
「未経験だけど30代でも通る職務経歴書の書き方」「年齢をハンデにしない面接対策」など、実践的なノウハウを教えてもらえます。
私も実際にリクルートエージェントにお世話になりましたが、30代での転職にも意欲的で、非常に親身に相談乗ってくれました。
転職サポートが手厚い
応募書類の添削、模擬面接、企業ごとの面接対策資料の提供など、サポート体制が充実。
特に初めての転職で不安がある方、ブランクがある方には心強い存在です。
全国対応・土日面談もOK
全国16拠点があり、地方在住でも利用可能。
平日夜間や土日の面談にも対応しているため、在職中でも無理なく転職活動ができます。
大手なら安心、初めての転職で不安、といった人であれば、リクルートエージェントを選んでおけば間違い無いでしょう。
登録後の流れ
リクルートエージェントの登録後の流れは以下の通りです。
\電話でのクイック面談も可能(最短当日)/
③【ハイキャリア向け】パソナキャリア
パソナキャリアはハイキャリア層の転職支援に特化した総合型エージェントです。
特に30代向けのハイキャリア層の転職支援に強みがあります。
オリコン顧客満足度調査で4年連続No.1を獲得しており、利用者からの評価が非常に高いのが特徴です。
エンタメ業界でも、マネージャー以上のポジションなどの求人を多く扱っています。
私も登録しており、エンタメ関連企業の求人なども積極的にご紹介いただきました。
特徴と強み
パソナキャリアは、転職後の平均年収は749万〜1,015万円とハイクラスの転職が可能です。
また、企業との強いパイプがあり、書類選考の通過率が高いのも特徴です。
キャリアアドバイザーも30代の転職に精通しており、年齢に応じた適切なアドバイスがもらえます。
年収600万円以上の求人が豊富
パソナキャリアは、マネジメント層やスペシャリスト向けの高年収求人を多数保有。
「未経験でも年収を下げたくない」「前職の年収を維持したい」という30代の希望を叶えやすいエージェントです。
丁寧なカウンセリングで評価が高い
オリコン調査で4年連続No.1を獲得した理由は、そのサポートの質の高さ。
キャリアアドバイザーが時間をかけて丁寧にヒアリングし、あなたの強みや市場価値を客観的に分析してくれます。
30代のキャリア戦略に強い
30代転職者の支援実績が豊富で、「未経験でもどう年収を維持するか」「30代だからこそアピールできる強みは何か」といった、年齢に応じた戦略的なアドバイスがもらえます。
女性の転職支援にも強い
女性の転職支援に特に力を入れており、ライフイベント(結婚・出産等)を考慮したキャリアプランの相談も可能。
ワークライフバランスを重視した求人の紹介にも定評があります。
企業との交渉力が高い
内定後の年収交渉や入社日調整など、言いづらい交渉を代行してくれます。
パソナキャリア経由で年収が50万円以上アップした事例も多数あります。
登録後の流れ
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転職エージェントの効果的な使い方
転職エージェントの効果的な使い方は、以下の通りです。
私は3社のエージェントに登録し、それぞれから紹介された求人を比較検討しました。
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(Q&A)30代未経験でのエンタメ業界への転職についてよくある質問
30代未経験からのエンタメ業界への転職について、よくある質問を以下にまとめました。
Q1. 30代後半(35歳以上)でも転職できますか?
可能です。
ただし、35歳を超えると求人数は減り、即戦力性がより強く求められます。
ただし、マネジメント経験や専門スキルがあれば、十分チャンスはあります。
実際、私の周りには30代で未経験転職してくる人はたくさんいます。
Q2. 年収はどのくらい下がりますか?
職種や企業によりますが、平均して50万円〜150万円のダウンが多いのかなという印象です。
営業職やマーケティング職は比較的年収を維持しやすく、クリエイティブ職やアシスタント職は下がりやすい傾向があります。
ただし、実績を積めば2〜3年で元の水準に戻すことも可能です。
Q3. 東京以外でもエンタメ業界の求人はありますか?
大阪、名古屋、福岡などの大都市圏には求人がありますが、東京に比べると数は限られます。
地方での転職を希望する場合、リモートワーク可能な職種(Webマーケター、バックオフィス等)を狙うのが現実的です。
Q4. 資格やスキルは必要ですか?
必須ではありませんが、あると有利です。
特に、Webマーケティング関連資格(Google Analytics個人認定資格、ウェブ解析士等)、語学力(TOEIC 700点以上)、簿記(2級以上)などは評価されます。
ただし、資格よりも実務経験や実績の方が重視されます。
Q5. 転職活動はどのくらいの期間がかかりますか?
平均して3〜6ヶ月です。
30代の転職は慎重に進めるべきなので、焦らず時間をかけて良い企業を見つけることが重要です。
在職中に転職活動を行う場合、週末を利用した面接調整などで時間がかかることもあります。
Q6. 芸能関係(タレントマネジメント等)は未経験でも可能ですか?
可能ですが、かなり狭き門です。
芸能マネージャーは業界経験者が優遇される傾向が強く、未経験の場合はアシスタントからのスタートになることがほとんどです。
年収も低めで労働時間も長いため、覚悟が必要です。
Q7. 副業から始めることはできますか?
可能です。
まずは副業でイベントスタッフ、ライター、SNS運用などを経験し、業界の雰囲気をつかんでから転職するという方法もあります。
副業での実績は、転職活動時のアピール材料にもなります。
30代未経験でもエンタメ業界への転職は十分可能。まずは一歩を踏み出そう
30代未経験でのエンタメ業界転職は、確かに簡単ではありません。
年収ダウン、労働環境の厳しさ、即戦力を求められるプレッシャーなど、覚悟すべきことは多くあります。
しかし、この記事で紹介した通り、戦略的にアプローチすれば十分に実現可能です。
前職の経験を活かし、入りやすい職種から狙い、業界特化型の転職エージェントを活用することで、転職成功の確率は大きく高まります。
私自身、34歳で未経験職種に転職し、今では「あの時挑戦してよかった」と心から思っています。
好きな業界で働く充実感、新しいスキルが身につく成長実感、そして何より「自分の人生を自分で選んだ」という満足感は、何物にも代えがたいものです。
「挑戦して後悔する」ことより、「挑戦しないで後悔する」ことの方が、人生においては大きな後悔になります。
もしあなたが今、エンタメ業界への転職を迷っているなら、まずは一歩を踏み出してみてください。
最初の一歩は、転職エージェントへの登録です。
登録は無料で、相談だけでも可能です。
情報収集から始めるだけでも、あなたの視野は大きく広がります。
30代からでも、人生は変えられます。
あなたの「エンタメ業界で働きたい」という想いを、ぜひ現実にしてください。
応援しています。