「Webサイトのファーストビュー、どう作ればいいのか分からない…」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。
特に、はじめて自社のLPやサービスサイトを担当することになった方にとって、「見た目はいいけど成果が出ない」ファーストビューになってしまうことも。
本記事では、Web制作や広告運用の現場で培った知見をもとに、「成果につながる」ファーストビューの作り方をわかりやすく解説します。
構成の基本、ありがちな失敗と改善策や事例まで、今すぐ実践できる情報を厳選してお届けします。
ファーストビューとは?重要性と基本構成を押さえよう
ファーストビュー(First View)とは、WebサイトやLPを訪れたときに、スクロールせずに最初に表示される領域のことです。
一般的には、スマートフォンでは高さ600px前後、PCでは800〜1000px程度が目安とされています。
この限られた範囲内で、ユーザーに「このページは見る価値がある」と思わせられるかが、サイトの成果を大きく左右します。
とくに直帰率やコンバージョン率に強く影響するため、広告運用やSEO流入の着地として重要なポイントになります。
そこで本章では、ファーストビューの基本的な役割と、その構成要素について整理していきます。
ファーストビューの基本構成要素
ファーストビューの基本的な構成は以下の通りです。
以下のスマホ画面内に写っているのが、ファーストビューです。(私のポートフォリオより)

この3つが揃って初めて、ユーザーは「このサイトを見るべきか」を判断できます。
成果につながるファーストビュー設計の5つの原則
ファーストビューの構成に迷ったとき、「何を重視すべきか」が明確でないと方向性がぶれてしまいます。
そこで役立つのが、成果を出すための設計原則です。
この章では、コンバージョンに直結する5つの実践的なルールを解説します。
設計の基本は“情報の整理と意図の明確化”。
見た目の美しさよりも、ユーザーが「一目で価値を感じられる」構成を意識しましょう。
原則ごとに具体的な改善方法も提示するので、自社サイトと照らし合わせながら読んでみてください。
原則①:伝えたいことは「1つ」に絞る
情報を詰め込みすぎると、ユーザーの注意はさまざまな要素に分散してしまい、結果として何も印象に残りません。
特にファーストビューはスクロールせずに目に入る唯一の領域ですから、ここで伝えるメッセージは「ひとつ」に絞るのが原則です。
例えば「無料体験実施中」と「製品の特徴3つ」を同時に詰め込むと、どちらも弱くなります。
訴求ポイントを1つに絞り、ユーザーに何をしてほしいのかを明確に伝えることで、離脱を防ぎ、成果につなげる導線を作れます。
最も届けたい価値・ベネフィットを明確にすることが、強いファーストビューの設計で大切なポイントです。
原則②:コピーは「誰向けか+ベネフィット」を明確に
ユーザーに伝わるコピーの条件は、誰に対して・どんな価値を提供するかが明確であることです。
曖昧な表現や抽象的なコピーでは、ユーザーの心を動かすことはできません。
特にファーストビューでは、読み手の関心を一瞬で惹きつける必要があるため、「誰が」「何を得られるか」が一目で伝わる構成が不可欠です。
たとえば、「簡単に使えます」では具体性が乏しく、対象もメリットも不明瞭です。
一方で、「現場の忙しい営業職でも、3分で提案書が作れる」のように、対象・手段・効果が明確になっていれば、ユーザーの関心を惹くことができます。
読者の視点に立ち、ベネフィットを具体的に示すことで、より強いメッセージを届けられます。
原則③:写真・画像は「使用シーン」「共感」を想起させる
写真や画像は、文字情報よりも速く直感的にユーザーの感情に訴える力を持っています。
ファーストビューで使用する画像は、単に商品を映したものではなく、ユーザーが共感できる「使用シーン」や「理想の状態」を表現することが重要です。
例えば、美容系LPでは製品単体を写すよりも「使って喜んでいる女性の笑顔」などのビジュアルの方が効果的です。
なぜなら、ユーザーは自分にとってのメリットや未来像をイメージしやすくなり、感情が動きやすくなるからです。
ビジュアル選びでは、「誰に」「どんな場面で使われるのか」を意識することで、説得力が増し、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
原則④:CTAの場所と目立ち方にルールを
ファーストビューにおけるCTA(行動喚起ボタン)は、ユーザーを次のステップに導くための重要な要素です。
しかし、位置が悪かったり、デザインに埋もれてしまっていたりすると、クリックされずにスルーされてしまいます。
CTAは、ユーザーの視線の流れに沿って配置し、視覚的に目立たせることがポイントです。
たとえば、主要な見出しの直下やメインビジュアルに重ねる形で配置することで、自然な視線誘導が可能になります。
また、色のコントラストや余白の取り方、文言の具体性も大切です。
CTAがしっかり機能することで、ユーザーの行動を促し、コンバージョン率の向上につながります。
設置場所とデザインには、明確なルールを持たせましょう。
原則⑤:ファーストビューは“スマホ”が基準
現在のWeb閲覧の大多数はスマートフォン経由で行われています。
つまり、ファーストビューの設計は「スマホでどう見えるか?」を最優先に考えるべきです。
PCではきれいに見えていても、スマホで文字が読めなかったり、ボタンが押しづらかったりすると、すぐに離脱されてしまいます。
スマホ基準での設計とは、文字サイズや画像比率、ボタンの大きさや配置などすべてにおいて「操作しやすさ」「見やすさ」が基準になります。
また、読み込み速度も重要な要素であり、容量の大きい画像やアニメーションは注意が必要です。
ユーザーの多くがスマホから訪れると想定し、「読める・押せる・伝わる」設計を徹底することで、離脱を防ぎコンバージョン率の向上が期待できます。
よくある失敗例と改善ポイント
ファーストビューを設計する際、つい「情報を盛り込みたい」「いろいろ伝えたい」と欲張ってしまうものです。
しかし、その結果として訪問者に伝わらず、離脱を招いてしまうケースも少なくありません。
このセクションでは、実際によくある3つの失敗パターンを取り上げ、それぞれに対する具体的な改善方法を示します。
自社サイトに当てはまるものがないか、チェックしながら読み進めてみてください。
失敗例①:情報を詰め込みすぎて読めない
【NG】文字だらけ/要素が多く焦点がぼやける
【改善】訴求軸を1つに、余白を設けて強調したい情報を明示
ファーストビューで情報を詰め込みすぎると、どれも中途半端に見えてしまい、印象が弱くなります。
視線が分散し、ユーザーが何に注目すればいいか迷う原因になります。
たとえば、キャッチコピーの周囲に複数の要素があると、伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。
訴求を1つに絞り、伝えたいポイントを明確に見せることで、視線の集中と行動促進が生まれます。
整理されたファーストビューこそが、ユーザーに選ばれるきっかけなります。
失敗例②:キャッチコピーが抽象的で刺さらない
【NG】「新しい価値を提供します」など主語が曖昧
【改善】「20代女性の肌悩みに、7日で変化を実感できる美容液」など具体化
抽象的なコピーでは、誰に何を伝えたいのかが曖昧になり、読み手の心に残りません。
ユーザーは一瞬で自分に関係あるかどうかを判断するため、情報の具体性が重要です。
「誰に」「どんなベネフィットがあるのか」を明示することで、ユーザーの関心を引くことができます。
実際に悩みや状況を想定した表現にすると、共感や信頼につながりやすくなります。
失敗例③:CTAが見えない/機能していない
【NG】スクロールしないとCTAがない/ボタンが目立たない
【改善】FV内に1つはCTAを配置し、目立つデザインとわかりやすい文言に
CTAが視認できない位置にあると、ユーザーの行動を促す機会を失ってしまいます。
ファーストビューは“見えている場所”で行動を促すことが鉄則です。
色や大きさ、文言に工夫を凝らし、ユーザーの目を引くようにしましょう。
自然な視線の流れでクリックできる位置に配置すれば、行動率も高まります。
ファーストビュー作成の流れと無料ツール紹介
「いきなりデザインしてもうまくいかない…」そんな経験をお持ちの方も多いでしょう。
ファーストビュー設計で成果を出すには、明確なプロセスを踏むことが不可欠です。
この章では、具体的な作成手順と活用できる無料ツールを紹介します。
企画段階から設計、素材選定、ABテストまで、順を追って理解すれば初心者でも質の高いFVが作れます。
特に、無料ツールの活用は予算やスキルに不安がある方にも心強いサポートとなります。
ヒアリングとペルソナ設計
成果の出るファーストビューを作るには、最初に「誰のためのサイトか」を明確にすることが必要です。
対象ユーザーが曖昧なままでは、訴求内容もブレてしまい、響くデザインになりません。
ユーザーインタビューやカスタマージャーニーマップなどを活用し、具体的なペルソナ像を可視化することで、設計の軸が定まります。
設計の出発点として、最も重視したい工程です。
ワイヤーフレームの作成
構成の方向性が定まったら、次はそれを視覚化する工程です。
FigmaやCanvaといったツールを使えば、非デザイナーでもテンプレートを活用して簡単にワイヤーフレームを作ることができます。
ワイヤーフレームは、コンテンツの優先順位や動線を整理しながら構成全体のバランスを見るための大切なツールです。
ここでの設計が、成果を左右するデザインの土台になります。
画像・フォント・カラーの選定ツール
デザイン素材の選定は、ファーストビューの印象を左右する重要な要素です。
魅力的な写真や配色、読みやすいフォントを選ぶことで、ユーザーの信頼を高め、世界観を強く印象付けることができます。
無料で使える以下のツールを活用すれば、誰でもクオリティの高いデザイン素材を手に入れられます。
簡易ABテスト・ヒートマップ活用法
LP・ファーストビューは、1度作ったら終わりではありません。
なぜなら、どれだけ設計にこだわっても、実際のユーザー行動によって効果は大きく異なるからです。
Microsoft Clarityなどのヒートマップや、VWO・OptimizelyといったABテストツールを使えば、どの要素が注目されているか、どこで離脱しているかを可視化できます。
データを根拠に改善を重ねることで、ファーストビューの完成度が高まります。
まとめ:まずは「見る人の気持ち」で見直してみよう
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に強調したいのは、「自社目線ではなくユーザー目線で見直すこと」の大切さです。
どれだけ優れた構成でも、伝えたいことが届かなければ意味がありません。
以下のチェックポイントをもとに、自社のファーストビューを客観的に評価してみましょう。
成果が出るファーストビューは、誰でも工夫しながら改善できるようになります。
改善すべき点が見つかれば、それはチャンスです。
ぜひまずは1つ改善を試してみましょう。
もしファーストビューに入れるコピーに自信がない……という方はセールスライターの視点でアドバイスも可能です。
無料でご相談いただけますので、ご活用ください。